ちょっとほろ苦いクリスマスのお話が入っています。

【送料無料】星のひとみ改版

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(以下、岩波少年少女文庫カバー折り返しの紹介文を転記)
「フィンランドのアンデルセン」といわれたトペリウスの童話集。オーロラ輝く北の果ての国を舞台に、ひとみに星の光を宿すふしぎな女の子“星のひとみ”や、オオカミの背にのって雪の山をかける少年などがくり広げる物語は、幻想的な美しさにあふれています。

文章はトぺリウスさん。
挿絵は丸木俊さん。
出版社は岩波書店です。

この方の物語はとても面白くて独特なので
もっと読みたいな~っと思うのですが
翻訳されたものはこの1冊しかないんですよね。
なのでこの岩波書店(今は少年少女文庫になっています)の1冊は
とっても貴重です。

というのも、日本とは気候や文化、生活形態がまるっきり違う人たちの日常が描かれている物語でありつつ
翻訳がまた素晴らしいため、とってもすんなり読めるんですね。
この「違う」と「同じ」な感覚がとてもバランスよく
夢中になれる作品集なんです。

今日は表題作になっている「星のひとみ」の紹介ですが
夏至のあたりになったらほかの作品の紹介もまたあらためてしたいと考えています。

ということで「星のひとみ」。
この物語だけの絵本化もされているのですが
あえて今回は岩波書店版で。
だって
丸木俊さんの挿絵が
す~~~っごくイイ!からです。
(あと、ワタシの読んだ絵本はビミョウに抄訳されていて
そのビミョウさ加減があんまり好きじゃなかったりもしました)
丸木さんの絵で絵本化してくれないかなぁ。。。

日本っぽくないムードの独特な幻想的な絵を描く方で
わりとお話を選ぶタイプの挿絵だと思うんですが
このトペリウスさんの物語にはぴったりマッチしていると思います。
その昔、この本がハードカバーでも出ていたときは、たしかカラーも少しあったはずで
今の少年少女文庫では、それがないのがとっても残念です。

物語はというと
クリスマス・イブに雪の中でひろわれたラップ人のあかんぼは、そのあと通りがかったフィンランド人に拾われます。
オオカミに襲われて、命からがら逃げたものの、ラップ人の母親はあかんぼをとり落としてしまったのでした。
雪にころがったあかんぼは、本当ならオオカミに食べられてもおかしくはなかったのですが
ひとみに宿るふしぎな力でオオカミに襲われることなくすんだのでした。

ということで、拾われた娘・星のひとみのお話です。
フィンランド人らしい名前をもらったにもかかわらず、その不思議な瞳のために
あだな的な「星のひとみ」で呼ばれるようになった彼女は
成長するに従って、その千里眼的な能力をどんどんあらわしていきます。

ワタシはこの本をコドモのころから知っていて(それはとてもラッキーなことだったと思います)
小さいころは育ての母のやりかたを「これはひどい」と思ったんですが
大人になって読んでみると
この母に同情する気持ちが強くわいてくるようになりました。

彼女が見えるのは、現実的なものだけではなく
ヒトの心の中まで見えてしまい
コドモだから、何も考えず口に出してしまうのですよね。

心の中を見られるなんて
本当に耐えられないことで
しかも
星のひとみが言ってしまうのは
言われたくない、要するにあまりほめられたことではない内心。

しかも
星のひとみが家に来たいきさつを思い出すと、
拾ってきたのはお父さん。
お母さんはいきなりお父さんが連れてきたあかんぼを
いいとか悪いとか考える間もなく育てる羽目になったわけで。
これはもう、よっぽどできた人でなければ我慢できないでしょう。

そのうえ、拾ってきたお父さんってば、遠いところにいたそうで
要するに家で起きていることがわからず、それゆえフォローもできるわけがない。

飢えないよう、こごえないよう
接触をなるべく少なくして最低限のめんどうはみられていたのですが
ここにとなりのよけいなおせっかいをやくおばさんが介入して
星のひとみの悪口をどんどんふきこんで…。
お母さんは飽和状態になってあふれちゃうんです。

そこにつけこんだとなりのおばさん、さらに介入…★
まあ、おばさんは自分のしたことの報いをうけますけどね。
帰ってきた父親は(遅いわ!)嘆き、星のひとみを取り戻そうとしますが
それはかなわず、今まで幸せだった分の不幸が訪れてしまったのでした。
みたいな
アンハッピーエンドで終わっちゃう物語なのですが

不思議さと冬の寒さ・暗さと対比するような
星のひとみの眼の輝きが見えるようで
母の愚かさも見えていて、だからといってどうこうということがない
こわいほどの無垢さや透明感が際立って
忘れがたい印象の作品になっています。


こういう主人公の物語って
たとえばファージョンの
年とったばあやのお話かご
に出てくる
美しすぎるお姫様の物語みたいに
「本当に美しい、素晴らしいものは消えてなくならず、どこかにきっと存在するんだ」
という
淡くはかない雪のようなロマンをかきたててくれます。

冬になると思いだし、手に取りたくなる1作です。
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ミッケ!3 クリスマス

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