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しろまち堂本館

ひたすら好きな本の紹介をするブログです。しろまち堂本館の旧館(http://honwagohan.blog19.fc2.com/)と新館(http://shiromachido-honkan.hatenablog.com/)をひとつにまとめました。過去記事のカテゴリ整備などを合わせて、ゆるゆるとやっています

グリーン・ノウの魔女

これでグリーン・ノウシリーズの紹介は終わってしまいます。
さみしい…

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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
グリーン・ノウをうばいとろうとするおそろしい魔女メラニー。ふたりの少年とひいおばあさんは、大切なやしきを守るため、勇気と知恵で立ちむかいます。

著者はルーシー・M・ボストンさん。
絵はピーター・ボストンさん。
出版社は岩波書店です。

これまでに紹介したグリーン・ノウのシリーズは
グリーン・ノウの子どもたち
グリーン・ノウの煙突
グリーン・ノウの川
グリーン・ノウのお客さま
グリーン・ノウの石
になります。
グリーン・ノウが選んだ住人が一人増え、トーリーはピンと一緒に行ったキャンプ旅行からかえってきて
3人の暮らしが始まりました。

彼らはみんな不思議なことを自然に受け止め、楽しむことのできるやわらかな心を持っています。

でも、
不思議なことには素敵なことも、気味悪いこともあって
オールドノウの昔話にも、そんな気味の悪いものがあるのです。
夏だから?たまたまオールド・ノウ夫人がした不気味な昔話
その後、おかしな手紙が舞い込み、手紙の送り主・メラニーがオールド・ノウに押し掛けてくるようになりました…。


ということで
今回、かなりオカルトっぽいです。
これが最終巻って…★
と思っちゃいますが
番外編の「石」があるのでそんなにグチらず
参りましょう。

このメラニーがね、なんともうすっ気味悪いんですよ。
人の話を聞いてるんだか聞いてないんだかな受けこたえのくせに
中にぐいぐい入りこんでこようとする。
要するに常識がない人なんですが
それだけじゃない気持ち悪さがなんともはや。

それに対抗するのは
三人の知恵や感性、それに庭にいる小鳥たちやハンノーも出てきます(正確にはハンノーの魂的なもの、かな)。
今までの愛情が力を貸してくれているんですね。
(でも、聖クリストファーさまは今回全然出てきませんが、どうしてなのかしら?
私はオールドノウのクリストーファーさまの像が好きなので、活躍してほしかったなぁ)

「あの人たち」も利用されそうになったりするんですが
なんとかもちこたえながら
反撃の道をさがす3人。

ぶっちゃけ、メラニーのやっていることも魔術なら
3人のやってることも魔術なんですよね。
そして、経験はなくても3人(主に活躍したトーリーとピン)の方が強かったわけで。
土地に愛されて暮らしている彼らなので
背景的に味方が多く強かったのもあるでしょうし
愛するものを守ろうという愛情が
奪おうとする欲望より強かったとも言えるのかも。

そして、メラニーを最後に徹底的に負かしたのは
彼女の隠されていた名前を知られたこと。
名前の支配力がすごいというのは
メジャーなところで「陰陽師」の「呪」でもよく語られますが
東洋も西洋もいっしょなんですねー。

かくてオールドノウに平和が戻ってくるわけなのでした。


歴史がある家や土地というのは
ときとしてこのようなモノも呼び寄せてしまう、ということでしょうか。
不気味さを感じつつ
このような面も含めて
それでもオールドノウを好きになってください
という
ボストン夫人からのメッセージだと思うのは
うがちすぎ…かもしれませんが
この巻の後、他の巻を読みなおすと
オールドノウの世界がもっと深まるのかも
なんて思った
最終巻でした。
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