たまには宮沢賢治でも


内容(「BOOK」データベースより)
猫の事務所の書記の中に、一匹のかま猫がいました。かま猫とは、寒さに弱くて、夜かまどの中に入って眠るため、からだが煤で汚れている猫のことです。かま猫は、猫仲間のきらわれ者。事務所でも、ほかの書記たちにいつも意地悪ばかりされているのです…。大人の絵本。小学中級以上のお子さまにも。

宮沢賢治の作品はカテゴリを作っていますので
そちらをご覧になっていただくと
今まで紹介した一覧が見られます。

宮沢賢治作品というのは
ワタシにとって
わかりやすいものと、なんとなくわかりにくいものがあって
子どものころはわからないままに読み進めていましたが
大人になると少し立ち止まってしまうものがあります。


この「猫の事務所」はそんな作品なんです。

わりとわかりやすい『いじめ』がらみなんですよね。
大人の世界でも学校でも
こんなふうにあからさまだったり
もっとこそこそした感じだったり、いろいろだと思いますが
もっともらしい理由をつけて優越をあらわす。

でも
そんなのは小さい世界のことで
もっと大きなくくりで考えると「なんだそりゃ」なわけで
この作品はまさにそんな感じです。

ただ
この物語みたいに「解散!」で終わっちゃうことって
世の中、あんまりないし
ここが解散してちゃらになったからオッケーなの?
ってことでもないような気がするし
そのへんの割り切れなさが
宮沢賢治の『半分賛成』ってことなのかなと思ったり
非常にもやもやするわけです。

物語についてはそんな感じで
いつもなんとなくダウナーになってしまうんですが
今回紹介している絵本の挿絵は黒井健さん。
いや、ダンディな猫たちでカッコいいですね。

しかし
事務所だからスーツ着せちゃってるんでしょうが
猫は服を着るのに
布団はかぶらないのだろうか
かま猫も服があるなら
厚着をすれば竈なんかにもぐらなくてももにょもにょ


という重箱の隅はさておいて
この絵のソフトタッチなのが内容の暗さをやわらげていて
読みやすいというかとっつきがイイ感じになっています。

これがあまりにもギャップがありすぎると
絵が浮いてる感じになるんですが
色遣いが落ち着いた感じになっているので
かわいらしい絵であっても悲しさとかつらさみたいなものを
じっくりとあらわせているんですね。
(事務所の最後の日の一連の挿絵が特にすごいです)

宮沢賢治の最初の一冊にはおススメしませんが
宮沢賢治って面白いよね
って思い始めて、いろんな作品を読みだしたとき
「こんなのもあるよ」って差し出してあげたい作品です。
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きつねの窓

めがねうさぎ

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