インノチェンティの絵本が出ると読まずにはいられない…。



内容(「BOOK」データベースより)
一軒の古い家が自分史を語るように1900年からの歳月を繙きます。静かにそこにある家は、人々が一日一日を紡いでいき、その月日の積み重ねが百年の歴史をつくるということを伝えます。自然豊かななかで、作物を育てる人々と共にある家。幸せな結婚を、また家族の悲しみを見守る家。やがて訪れる大きな戦争に傷を受けながら生き延びる家。そうして、古い家と共に生きた大切な人の死の瞬間に、ただ黙って立ち会う家。ページをめくることに人間の生きる力が深く感じられる傑作絵本がここに…。人が家に命を吹き込み、家が家族を見守る。家と人が織りなす百年の歳月。


なぜか好きな挿絵画家なんです。ロベルト・インノチェンティ。
他の作品は、絵本の
エリカ 奇跡の命

長文大型絵本の
クリスマス・キャロル
くるみわり人形
ピノキオの冒険
を過去に紹介しています。

家が語る住人の物語です。
物語のはじめは実を言うとこの家にとっては「ふたたびのはじまり」なのです。
1656年に作られ、やがて人が住まなくなり見捨てられた家に
また人が住むようになった1900年。
そこから物語がはじまります。

とはいえ
家が語る家族の話は切れ切れです。
ある年のある日のワンシーンずつ。
写真をとって、その日についてのコメントが書かれているかのようなもので
その場面のようすはわかりますが、背景についてはほとんど物語られていないため
誰が家族でだれが手伝いやお客なのかすらわからないことがほとんどです。

これは一見、とても不親切に見えるのですが
読んでいるうちに
家が主人公で、家が語っているのだからこれでいいのだ
という気になってきます。

たぶん家にとっては
時の流れの感じ方や受け取り方が
わたしたち人間とは違うのでしょう。

人が住み
代が変わり
住む人々がまた変わり
住人がいなくなり

やがて家は取り壊され
新しい家が建ちます。

100年たった家はなくなったように見えます。


けれど
ふと気づいた人は
ページを逆にめくり始めるでしょう。

扉の上の横板の数字が変わっていたり
(最初は家が作られた年だったのに、横板が屋根で隠れている間に数字が変えられたようです)
壁にいつの間にか数字のプレートがつけられていたりと
少しずつ家が変化しているのです。


そして
立て替えられた家に
同じ番号のプレートがかけられています。


次に住む人たちが
前の人たちと何かかかわりがあるのか
それとも赤の他人なのか
文章からは読み取れません。

けれど
古い家と新しい絵は
たとえ細い糸のようなものであっても
なにかでつながっているだろうことが
絵から読み取れます。


ノスタルジーあふれる文章と
同じ地点から年代を追って描き続けられた家の絵に
100年の歴史をしっかり感じることができる作品です。
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