文庫本はずっと絶版だと思ってたら、3年前に改版として出版されてたんですね。
つい先日気づいて買ってきました。


アルプスの少女ハイジ (角川文庫)

アニメの表紙じゃなくてよかった…。
いえ、アニメはアニメですごく好きなんですが
本のハイジとアニメのハイジはどうにも雰囲気が違っているので。

アニメのハイジって、すごく心身ともに丈夫そうな雰囲気。
ホームシックのあまり夢遊病にかかるなんて感じじゃないんですけど
原作のハイジって、すごく繊細というか、敏感な子なんですよね。
しかも反応がよくて、相手の話を理解して意図を察するのが得意。
そういう頭のよさがみんなからかわいがられている理由の一つでもありそう。


あらためて読んで思ったんですが
ハイジがアルプスの山とおじいさんに固執といえるほどの愛情を抱くのは
初めて手に入れた安心できる場所だったからじゃないかな?と。

物語の初め、おばさんのデーテに連れられて
アルプスの山にくるんですが
ハイジはここでは以前の生活を全然恋しがらないんですね。
5歳で山に登る前のことを
デーテは一年、あるおばあさんにハイジを預けて暮らしていたと話すし
そのおばあさんは耳が聞こえなくて、ずっと家の中だったように書いてありますから
物心ついてからはあまり楽しい生活ではなかったのでしょう。
デーテ自体若くて自己中心的なようですし
ハイジをかわいがってたとは思いがたい。。。

それが山にきて
景色が魅了されるほどきれいで
おじいさんはぶっきらぼうでもかわいがってくれて
毎日が楽しくなって
安心した生活をおくれていたのに。

フランクフルトにつれていかれたときって
ほとんどだまされてますよね。
当時の子どもの扱いって、こんな乱暴でいいの?って思います。
(まぁ、デーテのやることだからな、ってくらいこの人は自己中なキャラとして描かれてますね)

フランクフルトでは…
待遇はいいですが、結局使用人ですからねぇ。
クララがよくしてくれるといっても、やっぱり子どもだし
自分としてはハイジにいてほしいから
やっぱりハイジが痩せようが顔色が悪かろうが
深刻には取らないよな
というか、クララ自体病人で調子の悪いのが当たり前だから
わからないんでしょうねー。

ってことで
安定と愛情をなくした敏感なハイジは1年で限界にたっして夢遊病に。
母親からの遺伝っぽい書かれかたしてますが
敏感な精神や体質の遺伝って感じでしょうか。

結果的にはこのおかげでおじいさんのところへ帰れるのでよかったわけですが
このへんの移り変わりとハイジの宗教的な信仰心のかかわりが
非常に上手に描かれています。
こういう信仰とか宗教的なものって
日本人だとピンと来なかったり、反発というほどじゃなくてもひっかかりを感じたりする人もいるかもしれないのですが
ハイジの信仰心って、素朴で単純、だけど強いので説得力があるんですよね。
ペーターのおばあさんから知らず知らずのうちに受け継いだものがあるんじゃないかな。

そして帰って来てから
いろんな人がハイジのところへ訪ねてきて
ハイジとおじいさんと山に癒されていくというふうに話が続きます。


秘密の花園でも思ったんですが
土地の力、土地からの愛情
みたいなのが強く感じられる物語って
独特の魅力を持ってますね。
秘密の花園は、締め切られた庭で
ハイジはアルプスの山って、かなりサイズは違いますが
でも
その場所によって人が癒される
っていう構造は一緒。

どちらか片方が好きなら
多分もう片方も気に入るのでは?と
今思いました。


ハイジはいろんなところから出版されていますが
なるべく完訳で
絵がついているならアニメっぽくないもの
もっというと好みのきれいな挿絵のものとかタッチの繊細なもの
なんかをおススメします。

今回紹介した角川文庫も
以前は挿絵が数点入ってたような記憶があるのですが
今回は挿絵なし。
(たぶん活字が大きくなったのも関係してると思います)

訳が読みやすいかどうかもポイントだったりします。

いろいろあるということは
その中で好きなものを選べるということなので
読み比べができる作品といえるでしょう。
アニメしか知らないという方には
ぜひ一度完訳を読んでいただきたいなーと思います。
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