図南の翼―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

普通の講談社文庫でも出てるんですが、ここはやっぱりホワイトハートの挿絵つきで♪

シリーズはたいていの方がご存じと思います。
アニメにもなりました<十二国記>シリーズのうちの一冊です。

小野不由美さんのこのシリーズはアニメになる前におススメいただいてしっかり全作品読んでいます。
もちろんどれも面白い!のですが、ホントは番外編のこの作品を紹介することにしたのは
これが一番<十二国>っぽいのでは?と思っているからです。


舞台は恭国。十二国の地図でいうと北西の花びらの一つになります。
王が倒れて約30年。
王と麒麟がそろって国を治め、そのことによって天災や妖魔が防げる十二国において
王がいないということは、国の荒廃を意味します。

主人公の珠晶は十二歳の豪商の末娘。
荒廃が起きても、我が家にはまだその荒廃は及んでおらず、何不自由ない暮らしをしています。
官吏になるために必要な教育を受けることのできる学校・庠学に通っていましたが
学校の先生が妖魔に襲われ亡くなったため、庠学が閉まってしまいました。
翌日、珠晶はどこに行くかを誰にも告げず、騎獣にのって家を出ます。。。

というわけで、王になるために麒麟に会いに行く旅・昇山に出た珠晶の物語が始まるわけです。

十二国記は王と麒麟を中心とする物語であり
麒麟が王を選ぶのが理。
なのですが
そのためにとられるスタンダードな形式
王を志す人たちが麒麟のいる山にのぼり面会をしに行く
そしてその中に王になる人がいれば麒麟がその人を選ぶ
という
「昇山」によって選ばれた王は、じつはシリーズ中とても少ないのです。

昇山は妖魔がうようよする山の中(黄海)を進んでいく旅です。
黄海にはもちろん店などありません。事前の準備や途中の天候など、いろいろな要素や幸運が必要になります。
それらをひっくるめての天からの運を持てる者が「王」である、ということになっています。

ひと月以上の旅というものは、皆の本性が出るものです。
「良い」と人が思うことの違いや、実行に移すことの複雑さ・難しさ
物事を目先だけでなく、全体として見ること
いろいろな面で昇山の人たちは試されるわけです。

珠晶は賢い少女ですが、やはり12歳なので年相応の未熟さは持っています。
そこをつかれるような出来事が起き、間違ったり失敗したりしながらも旅を続けます。
その中で傲慢に見えるような彼女の言動の裏にあるものが少しずつ見えてきて
彼女の本当の資質があらわれます。


もちろん王になることは運が必要なのでしょう。
けれど、それだけではなく、周囲が納得するような人格がまず必要です。
その人格が昇山という行為のなかで鮮やかにえがきだされており
この「図南の翼」の一番の面白さでもあるのではないかと思います。
スポンサーサイト

うずらちゃんのかくれんぼ

セロひきのゴーシュ(宮沢賢治・文 茂田井武・絵 福音館書店)

comment iconコメント ( -0 )

コメントの投稿






trackback iconトラックバック ( -0 )

Trackback URL:

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。