折しも年末に読みまして。なんか色々切実な気分でした…。おぅふ★

 

2012年、著者が仕事場として都内の木造アパートを借りるところから話ははじまります。狭いアパートの床にうず積み上げられた本、本、本。「こんなに部屋中本だらけだと、そのうち床が抜けてしまうのでは?」と不安におそわれた著者は、最良の解決策をもとめて取材を開始。蔵書をまとめて処分した人、蔵書を電子化した人、私設図書館を作った人、大きな書庫を作った人等々。

 

大事なのは物理より心理 

ストレートかつドッキリなタイトル。しかも出版社が〈本の雑誌社〉って、なんかできすぎかも。
本読みなら気になること間違いなしでしょ。てか、本読みかそうでないかの踏み絵にできるんじゃね?ってくらいのインパクトを感じるのはわたしだけかしらん。

 

世の中の本を読む人と読まない人の間の川は意外と広いのかもしんないなーと思うことがしばしばあります。
インテリア記事の写真とか見るとたいがい「こんな本の収納場所のない部屋に住めるかー!」とツッコミます。しないですか?するよね?すると言ってオネガイ!
ま、その叫びの裏側の、わたしん家みたいに本ばっかりだと写真をとっても部屋の写真だか本棚の写真だかになっちゃうという事情は脇に置いときますけどもさ。

 

趣味の本読みでさえこうですからね、プロのライターさんになるとそりゃもう言うまでもないっす。
自宅の本の量に「ヤバい…」とマジで感じてビビっている方々を代表して(?)西牟田さんが書いたインタビュー&自分の体験レポの複合技がこの1冊。
実際に床が抜けた方のインタビューあり、抜けてはいないがヤバい方々へのインタビューあり、蔵書保存をどうしているか、削減した方はどのような方法をとったかなど、かなりの盛りだくさんな内容になっています。

 

しかし、軽い気持ちで読み始めてみたら、これがけっこうヘビーな雰囲気★文章の間から緊迫感がヒシヒシと漂ってきちゃってえ、なんか、ちょっと、興味本位で読み始めちゃったけど大丈夫…?
なーんて感じてしまったホントの理由は後ほど明らかになるんですが、結局のところ増やすか?減らすか?の二者択一で、増やす方が減らすよりはるかにラクー!って言いきりますが、それで終わらないからさあ大変。

 

著者をはじめとして、本読みにとっては、読んだ本は自分の内側のどこかと繋がってるもんなんです。
本に該当するのが服の人もいるでしょうし、コレクションのグッズの人もいるでしょう。
増やすことで繋がりが薄まる可能性はある。けど、だからって手放して繋がりを切るのがラクになるわけではない。
どんな方法があるのか?その方法をとった人はどう感じたのか?そして著者は?
という思考の旅(ある意味迷路)に一緒に連れていかれる趣があります。

 

床が抜けるにもパターンがあるとか、物理的な話ひとつにとってもなぜか説がいろいろあったり、床抜けの被害にもバリエーションがあったりとか。
ん、なんでこんな寄り道が?などと読みすすみながら困惑もしますが、本を持つか手放すかの選択って、本読みにとっては人生の選択につながっていますからね。一直線にすすむだけがいいこととは限らない!
著者はどうしたいの?そして読者である自分はどうするの?まで絡んでくることに、読む前に予想しなかったわたしが甘かったのかも。

 

あの世に本は持っていけない。だとすると今持っている多数の本をこれからどうしよう。
生きてる間の対策、亡くなった後の処分、減らした人の心境、後悔、行動。
図書館化か自炊か廃棄か電子化か?
さまざまなパターンを読みながら、去年した引越しの大変さを思い出し、著者の話と自分の事が乖離したり寄り添ったり。

 

面白いのが作中に登場する方々の中で、数少ない思い切りのいい方が内澤旬子さんと大野更紗さんで女性だったこと。
内澤さんは処分をすすめ、大野さんは徹底的にデータ化をすすめるという違いがありますが、迷いのなさは共通しています。
個人的には大野さんの本棚&机に一目惚れ。効率第一のかっちょいいデスクでした。自分が使いこなせるかどうかを棚に上げていいなら、アレ欲しい!ですわ。マジで。
そうはいかないので、とりあえず本棚のディスプレイ変更を検討しています。
「部屋に置いてあるもの、視界に入るものが思考に影響を及ぼすので気をつけ」たほうがいいようですから。
(「 」内は大野更紗さんの弁を引用。すごい説得力でした…。)

 

著者のようによんどころない事情は今のところありませんが、先々のことも考えたほうがいいお年頃。
自分なら…うちの本は…、しっかり考えて、この本を読んだことを血肉にしたいと考えさせてくれる、みっちりとした一冊でした。
お世話になりました!

 

 

[は行の出版社]  [は行のタイトル]
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ゴリラのおとうちゃん(三浦 太郎・著  こぐま社)

ぶたぶたの甘いもの(矢崎 存美・著  光文社 )

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