前回の記事に引き続き、この本の紹介です。

 


今回は登場人物のお話を中心に

わたし、 トラックバック的なことは基本的にしないんですが、自分が過去記事で書いたかどうか探している時に、このブログ記事を発見しまして、やーそうだったと目からウロコ的な思いだしを。

そうだよ、ベッキーおばもロマンスの話をしてたんじゃないか!と。

 

初っ端で衝撃だった過去のロマンス(というか片思い)の告白があったんですよ。しかも遺産分けの集会の真っ最中。やー、すっかり忘れてたわー。

 

モンゴメリには時々過去の回想的な物語があります。

<過去にこんな出来事があった、そして今…>みたいなパターンね。

ロマンスだったりケンカだったりとバリエーションは様々なんですが、

ベッキーおばの「昔あなたが猛烈に好きでした」と、面と向かって相手に告白し、結ばれることがない(というかそもそも今は愛情はない)ってのは、他の作品では読んだことないです。なのでかなり新鮮。

そしてまた、過去の片恋の相手がめっちゃ凡庸な感じで、思ってもみなかった告白に「何を、しかもなんでまた今さら…」と、大変気まずいという。

このあたりのリアルで滑稽な感じ、たまりませんです。モンゴメリファンで未読な方なら、せひ気合入れてチェックいただきたい部分です。

 

これに比べると他の登場人物のロマンスはわりと正統派かも(だからといって面白さがへるわけではないですが)。

…って書いてて、ふと気づいたんですが

この本、主役がいないわ! 

もしかして水差し?って一瞬思いましたが、アレは狂言回しみたいな役割だしなあ。

ゲイもジョスリンもマーガレットもドナも、なんだかんだいってサイドストーリー。

…一歩間違えたらとりとめが無くなる物語をよくまあ絶妙のバランスで仕上げたものです。モンゴメリすげーっす。

 

上記でつらつらと書きだした女性たちはマーガレット以外、モンゴメリの正統派のロマンスを紡ぎだしています。

 

ゲイの幼い恋と破れた後の真実の恋は非常にわかりやすい形ですが、だからといってときめきや切なさが減ることは一切ありません。まさに<少女マンガの世界>でして、あの読んでいないコミカライズもきっとこのゲイの物語を中心にしてるんじゃないかな?と思います。

 

ジョスリンの勘違いの恋と、それに気づいた後の復縁は、モンゴメリの得意なパターンをちょっとひねった感じですね。(とはいえ、これはぶっちゃけどうなの?とも思いますけどねー。相手のヒューのお母さんがジョスリンに対して非常に腹を立てていますが、そっちのが共感できたりする。結婚式で他の男に一目惚れをして、旦那に告白・別居…。それが一時ののぼせあがった錯覚だとわかったからといって元サヤ?ヒューの立場どうなの?って感じです。わたしだけ?

 

ドナは敵だと思ってた相手にまさかの一目惚れで恋が始まります。

激しい恋と激しいケンカ。そしてドラマティックな仲直り。わたしも気が相当に強いので、このカップル(というか、ドナの気性や対応は)あるあるわかるわかるで大変楽しかったです。

未亡人から一転して恋する女性に変わる、その心の動きも瑞々しいですし、盲目ではないけれど一途で、ヒューと世界旅行に行くことに何のためらいもない潔さもステキ。ストーリー的にはうじうじしているゲイの方が読ませるんですがw ピリッとしたスパイスのような存在でした。

 

マーガレットのロマンスは、ちょっと『青い城』を思わせますが。相手が男性ではなくて家というあたりが意外なんです。この発想はなかったw 

でもまあたしかに満足して暮らすのに異性が必要不可欠というわけではないですもんね。プロポーズされてお試し交際をして、やっぱダメ★ってくだりは当時の小説ではかなり斬新な設定だったんじゃないのかなあ、などと勝手に推測しています。

夢の幸せが現実の幸せにシフトしていく移り変わりの場面は、アタマとリアルの違い&腑に落ちる感がとても秀逸。「こう考えていたけど、実際にするならこっちの方がしっくりくるよねー」って、あの感じはスピ系の本好きさんにも楽しめそう。結果的にひとりではなく、ふたりで幸せになるんだーっていうのもよかったです。10年後、20年後の幸せな未来まで想像できます♪ 

 

あとは…狂人と思われている月の男も忘れちゃいけないかー。

普通と違うということで存在がちょっと怖いけれど、本質をついた会話をたびたびします。

「愛しているだけで、姿を見るだけで、幸せなんだ」という至極まっとうに聞こえそうなセリフですが、相手が月で、それを実行していると、とんでもなくシュールでホラーだったりもしますです、ハイ…。

 

主要なところはだいたい書いたよねー?と思っていたんですが残っていたのがビッグ・サムとリトル・サムのコンビ。このふたり、どういう扱いなんでしょうね?

カップルでは当然ないけれど、物語の最後を〆るエピソードは彼らのもの。めでたしめでたしではあるけれど、ちょっと弱かったりもして、なかなかビミョウな感じでした。これも夫婦にこだわらない幸せの形ってことなんかなあ。

このコンビに関しては、読んだ方の感想もうかがいたいです。ぜひに。

 

ということで、シチュエーション読み、キャラ読み、両方について書いていきましたが、どちらもとても楽しい作品でした。

上記のように終わりかたや人間関係など、今ひとつスッキリサッパリしない部分もあったりしますが、全体のバランス感覚は抜群です。

モンゴメリの作品集の中では異色なほうですので、そのあたり含めてお楽しみいただければと思います~^^

 

 

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