どんぐりと山猫どんぐりと山猫
(1989/05)
宮沢 賢治佐藤 国男

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またもや宮沢賢治です。今回はこちら、「どんぐりと山猫」。
数回お付き合いください。


その1の挿絵は佐藤国男さん。木版画です。

この絵本を見て第一に思ったのが
「一郎くん、ハンサムじゃん」でした(笑)。
なんというかね、利口そうな顔っていうのでしょうか。スッキリとしてて頭よさそうな顔なんですよ。
なるほど、これなら裁判に呼ばれるかもって感じ。
そして、山猫が呼んだ裁判がどんぐりに関することだよ というのが、最初の見開きの絵で暗に示されています。
モチーフとしてちりばめられているんですね。

翌日の山猫を訪ねる道のりは特別な描き方をしているわけじゃありません。
キノコがちょっと変わってるくらいかな。

馬車別当もおとなしめですね。特徴はそのまま描きあらわしていますが
わりにソフトな描き方です。
版画で背景を細かく描きこむのはやっぱり難しいのか、全体的にあっさりとした感じ。
風景の美しさを描いた文章のシーンでも、人物が中心になっていますね。

どんぐりは…まあ、こんなかんじかな。
キノコと似てますね。すごーくかわいいというほどでもないですがユニークです。
木版画だと一つ一つが似てるけど個性的。個人的にはもっと同じようなのがいっぱいあってもいいわとか思っちゃいますが、まあ、それは画家の意図とは違うでしょうね。

佐藤さんの一番他の人たちと違うところは
一郎がお礼のドングリをもらう場面です。
もらったドングリをどうするか、吹き出しで考えてるんですね。
一方山猫は塩鮭の頭のことを考えているようです。しかし、なんでフランス語なんだろう。。。

終わり方は静かな雰囲気。一郎が描かれていないので
彼の回想がいつごろなされているのかわからないようになっています。
原稿用紙らしきものがあったり、帽子をかぶった男性のシルエットが見えたりするので
一郎は宮沢賢治なのでは…みたいにしたかったのでしょうか。


文でいうと、文字は小さめですが
版画の絵に合わせて墨と白抜きをうまく組み合わせているので
読みにくいことはありません。
字はけっこう小さいですね。ページ数とか絵に合わせて文章の量を調節した結果と思われます。
絵と文章の内容をしっかり合わせて書いているので違和感はありませんが
ちょっと残念に思われるのは
絵があまり大人向けではないというか、小さい子でも楽しめるタイプなのに
文字の大きさ、文章の量がそれを阻むのじゃないかなぁと思うこと。
読み聞かせのみならいいですが、聞いて面白かったから自分で読みたいと思っても
挫折する子がでそうです。


使っている色が少なく、シンプルな絵本なので
宮沢賢治にどっぷりつかってない人でもけっこう楽しめると思います。
大人と読み聞かせ用にいいと思われます。
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どんぐりと山猫・その2

もうちょっとおまけ――台所のマリアさま・その2

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