去年2014にNHKでドラマ化もされたみたいですね。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。

著者:高田郁(タカダカオル)
出版社:幻冬舎

「いく」さんじゃなく「かおる」さんなんですよね。いつも間違えてしまう…。
この方の時代小説が好きでかなり読んでいます。「澪つくし」のシリーズもよかった。早くスピンオフ出ないかな~♪と楽しみ!
そうはいっても、ブログで紹介することを考えると、あんまり長いのはねえ。
1巻ずつ紹介すると飽きる…というか、あらすじ紹介に終始しちゃいそうなんですよ。
なのでできれば1巻完結、で、著者読みするのに最初の1冊におススメ、となると
うん、この『銀二貫』がイチバンではないかしらん。



なんでかって、要素がとにかく盛りだくさんなんですよね。
少年から大人への成長ものであり
商人の物語であり
美味しいものの話であり
純愛のストーリーであり
人情ものでもあり
根性ものでもあります。

その上伏線がちょいちょいあるので読み直しも楽しく
さらに感動しちゃってうるっとなる泣かせの場面もあるのね。
こんだけ入ってるのに1巻完結て、オトクでしょ?(←そういう問題か…?)

主人公の鶴之輔→松吉(作中で改名)さんはとにかくひたすら大変で
艱難辛苦で自分という珠を磨く、みたいな感じ。
これでもか!って感じで苦労が山盛りなんですが
音楽でいえばメロディを繰り返す中で、少しずつ低音のベースが変わっていって
あるとき転調して、そこからまた繰り返しながら少しずつ曲のイメージが変わっていく…ような変化があります。
要するに、起承転結の「承」の展開が細やかなんですね。

「転」から「結」になると、それまでの緊迫感をゆるめ
松吉の緊張感を保ちつつも周囲の人たちにおかしみを与え、
ふっ、ふっと息抜きに笑えるタイミングを入れていて
これもまたお見事。
最初のうちは悪役的な扱いの番頭さんがめちゃめちゃイイ味出してるんですよー。
この方の心理背景を都度都度旦那さんが語ってくれるので
悪態の裏側にある悲しさやつらさを読者も一緒に感じられます。
悪い人が出てこないけどスパイスはたっぷり、って意外と難しいと思うんですが
最初は辛口で、後は塩味、最後の〆で最高のセリフを語る
この番頭さんあってこその物語の盛り上がりですねー。

しかし、根性モノの作品のせいか?登場人物の男性率、めっちゃ高!です。
去年のドラマ見てないんですが
画面の色合い、相当に地味だったんじゃないでしょうかw
なんだってこんなに男男してるの?と思いつつ
ロバート・B・パーカーの『初秋』でスペンサーが自分の幼少のころを語る場面を思い出し
なんだかにんまりしたり。
男ばっかりで色気のない中、いたわり合いながら疑似家族的に暮らしていく様子って
なかなかに味わい深いのですわ。

タイトルだっていうのに銀二貫、の価値がどれくらいかいまひとつピンとこなかったのがちと残念ですが
これ、現代の貨幣に直したってあまり意味がない…というか
逆に「○円」とかになると人によって受ける印象が変わりそうですので
やっぱり「大金」と大きく括って理解しておけばいいんだろうなー、と思っています。

泣いて笑ってじんとくる時代小説読みたいなーってとき
思い出して手に取っていただけたら幸い、な一冊のご紹介でございました♪




 [か行の出版社] [か行のタイトル]
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