子どもというのはいろいろです。
そして、みんながみんな、子どもらしい子ども、というわけではないのです。。。


この物語の主人公のグレゴリーは、とても繊細な男の子です。
なので、お手伝いがしょっちゅうかわることもいやですし、彼女たちがお休みを取るたびにあちこちへやられるのも嫌いです。
彼が家に求めているのはいつも変わらない落ち着いた環境なのですが、家族には理解されていません。

そんな彼の家にお手伝いとして新しくやってきたマルタ。
ウクライナの難民です。料理が上手で、いつも家にいてくれます。
グレゴリーだけでなく、家族みんながマルタを気に入っています。
グレゴリーの家に不満があるわけではないのに、マルタにはどこか淋しそうなところがあります。
どうしてなんだろう?
グレゴリーはある日、その理由を知りました。。。


繊細で表現が不器用なため、頭はいいけれど自分のことをうまくわかってもらえないグレゴリー。
彼のことを理解できないのは家族がみな、グレゴリーと違う価値観なのもあるでしょう。
人と遊ぶことやお客様がくるのは楽しいこと。
そんな社交的な人ばかりではないのが家族に伝わっていないのがよくわかります。
だからこそ、グレゴリーは同じような感性のマルタに安心感を覚えるのです。

マルタが幸せではない理由を知ったグレゴリーは行動を起こします。
つまずいたり、失敗したりをたくさん繰り返しますが
それでもあきらめることをせず、マルタの望みの物をつくろうと努力し続けます。
そのことによって、それまで繊細さのため閉じていた彼の内面が少しずつ開かれ
妹や周囲の人との交流も行われるようになるのです。

本当を言うと、この物語のなかで両親の存在感は大変にうすく
愛情はあっても、理解や注意が子どもたちにあまり注がれていないようで残念です。
とはいえ、両親の存在感が濃ければ物語自体が別の方向を向いていたでしょうから
それはやむないことでしょうね。

グレゴリーがマルタのために作ったのは彼女の宗教のよりどころ。
宗教に関して抵抗感があるかたにはおススメできないかもですが
愛情がもたらす行動の美しさと、それにより人が変化することの素晴らしさがよくあらわされている作品ですので
ご興味おありの方にはぜひご一読いただきたいです。
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もうちょっとおまけ――台所のマリアさま・その2

おばあさんの飛行機

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