ミラクルムーンの日ということで。



表紙カバー折り返し部分の商品説明文より
「つきのきれいな よるです。
子だぬきは みました。
つきが 水あそびを してるんです。
子だぬきだけが しってること!!
みんなに おしえて あげましょう。そっと、ね。」

著者:長新太
出版社:教育画劇
初版:1986年1月

三日月だろうが半月だろうが満月だろうが欠けていこうが、
月がきれいに見えているって、なんだかそれだけで嬉しくなっちゃうのです。

長新太さんも月がお好きだったのでしょうね。
この「つきよ」の他、「つきよのかいじゅう」「つきよのキャベツくん」と
月夜絵本が3冊もあります。
現物を読み比べたわけではないのですが、どうも夜の色合いも違いそうな…。
これは並べて見てみたいものです。ワクワク。

表紙を見るからに、この「つきよ」は、いちばん月が細いにもかかわらず
空は一番明るいみたい。陽が落ちてからそんなに時間がたってないからかな?
陽が落ちたばかりで夜が始まる、あの微妙な、淡いくせに奥行きのある青が
いかにもあっけらかんと塗られていて、夜の灰色の雲が流れていたりなんかして。
どうしてこんなに美しいものをさらりと描きあらわしてしまうのかしらと
絵のシンプルさ美しさをあらわすために延々と言葉を紡ぎ
それでも伝えきれない自分の言葉の乏しさになんだか理不尽さを感じたり。

絵本から音が聞こえてくるようだなー
なんて思って読みながら、かけるのはゴンチチ。アルバム『Red Box』に収録されている「月の舟」です。
この曲、すこし物悲しいリズムギターが静かに降り注ぐ水滴のようでもあり、月の光のようでもあり。
雨の日にも月夜にも似合うのです。
たぬきが大急ぎで森の奥の池に向かう、あの場面。
この曲みたいな足取りだったんじゃないかしら?なんて思います。

なんてロマンティックなことを書いておりますが、
そこはそれ、長新太さんですから
文章がなかなかキケンです。
たぬきがびっくりする場面があるんですけど
「おなかを りょうてで きゅうっと つかんでしま」うんです。
これ、うつるやろー☆やってしまいそうになるやろー(笑)。
…読まなかった頃には戻れないワタシは、
これからは驚いたときにお腹をつかまないように気をつけなくてはいけないのです。
オソロシヤ、オソロシヤ。

驚いたたぬきが月をおいかけ、おそるおそる眺めた景色は
森の奥にある池の中で羽目を外す、お月さまのご乱行。
どんなことをしているのかは、ぜひ読んでいただいた方がよいです。
ネタバレしたら、楽しさ半減どころか四分の一くらいしか残らないと思うーw

おどけていたり、ムードたっぷりだったりの
お月さまの変化のかずかずは
ぜひぜひゆっくりと声に出して読んでいただきたいもの。
早さや声の高低などで多彩なニュアンスが出ることでしょう。

それにしても、全体を通して、なんて素晴らしい青なんでしょう。
空の青、水の青、山の青。
間に雲のグレイ。
それから草原の鮮やかな緑に、森の重たい緑。
夜の美しさがこれでもか!というくらい濃いので、うっとりしているうちに酔っぱらえそうな…。

こんな素敵な夜をみせてくれた長新太さん。
もういらっしゃらないのはとても淋しいです。
空のお月さまのように遠くて手の届かない方になってしまったんだなあ。
しのびながら絵本を読みかえします。

夜が長くなるこれからの時期、今月は他の月夜の絵本もあわせて、
何冊かご紹介の予定です。よろしくどうぞ。
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