ふと思い出し再読。いいんだこれが…。


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
違う時間を生きる恋人たちの心情を痛切に描いて、発表と同時にスタンダードになったと絶讃されたデビュー作「美亜へ贈る真珠」をはじめ、亡くなった男を想いつづける女心の深淵にふれる「梨湖という虚像」、夫婦のすれちがいが驚くべきできごとに発展する「玲子の箱宇宙」、時間を超越して男女が運命的なめぐりあいを果たす「時尼に関する覚え書」と、女性名をタイトルに織りこんだ、泣ける抒情ロマンスSF7篇を収録。

著者:梶尾真治
出版社:早川書房

梶尾真治作品は『しりとり佐助』のシリーズを過去記事で紹介しています。
その1はこちらから
その2はこちらから
お読みいただけます。

著者情報を読むと、この作品がデビュー作なんですね。知らなかった(←え゛?)
いくつのときだっけかな、『地球はプレイン・ヨーグルト』を読んで驚いたのは。
全作品とはいかず申し訳ありませんが、折々に作品を読んでいます。
SFって、年代とか時期で読まない(読めない?)ときもあるんですが、
このかたの作品ならたいてい大丈夫という、ワタシにとって安定の作家さんです。

短編集なので何作も入っていますが、ワタシが好きで読みかえすのはやっぱり『美亜~』。
タイムカプセルによって隔てられた恋人たち。いや、実際のところは元恋人たちというのが正しいのかもしれません。
隔てられるようになった理由は結局のところ、作品中では不明なままなのですが
それだけに残された美亜の悲しさが鋭く迫ります。

忘れきれず、諦めきれず、タイムカプセルの中の恋人を見つめ続ける美亜が切ないんですよね。
そうしているうちにどんどん年をとっていって…
この年齢になって読むと、後半、自分と重ねちゃってちょっとイタ悲しくなってきちゃいますが
でも読んじゃうんだなあ…。

若いからこその一途さでありつつも
美亜が捨てきれないのは相手への愛情なのか、自分の報われなかった思いなのか?
なんてことをつらつらと考えながら
特殊に固定された関係性であるからこその想いの結晶化と
それが反映されたかのような最後には、毎回グッときます。

こう書くと、美亜はけなげでひたむきで一途のようですが、
実をいうと物語の最後のほうでは意外な一面も見えていて
えぇっ?という展開が挟まるのもけっこう好きです。
最初は「ちょ、それって…」と、反感を感じましたけど
よく読んでみると、リアルというか
女性のしたたかさみたいなのもあって、だからこそずっと見ていられたのかなあ、なんて。

切ない作品が読みたいとき、ワタシがふと思い出すこの作品。
肌寒く、人恋しいような今の季節
センチメンタルをたっぷりと味わってみませんか。
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だるまなんだ

ムッシュ・ムニエルをごしょうかいします

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