先日、こちらの本の紹介をしたのですが
その後読み進むにつれて感想が変わってきたので追記します。


内容(「BOOK」データベースより)
10才から亡くなる4日前まで書きつづけたベストセラー作家の光と闇。

編集:ジョーエル マイヤースン
出版社:西村書店
初版:2008年7月15日

前回の記事では、たいへんおススメしたのですが、その後読み進めまして
前半と後半では日記の趣がかなり違うので、これは追記しなくては!と思った次第です。

前半はオルコットが世に出る前です。
若くて元気いっぱいで、世の中に出るために試行錯誤をしていた時代ですね。
ワタシが前回読んでいたのは、主にこのあたりで、文章量も多いし、不確かであっても明るい未来を信じてがむしゃらでした。

これが後半になりますと
人気作家になったためか、文章量がまずぐっと減ってきます。
日記に裂く時間が減ったためか、もしくは日記に対する関心が薄れたのかもしれません。
前の記事にも書きましたが、
幼少のころは家族が日記を読んだりコメントを書くことがあったりで、交換日記的要素を帯びていましたから
読み手がいるということで書くことに対しての張り合いがあったように思います。

そして、一家の稼ぎの担い手になり
それは彼女の願いでもありましたが、一方、自分の好きなことをする自由が減るということでもありました。
(一家には父がいるのに不思議なのですが、どうも稼ぐのが上手ではない方だったようです)
家族に対する愛情はもちろんたっぷりあるのですが
そそいだ分の愛情や金銭に対して、報われたと感じることが少なかったようです。
悲しみの表現がそこここにちらちらと見え隠れしています。
作者は違いますが「スウ姉さん」のような雰囲気もあります。当時はこのような女性がけっこういらしたのでしょうか…。

働き過ぎで健康を損ねた様子についても繰り返し書かれていますね。
『昔気質の一少女』の下巻には、ケエト・キングという人気女性作家が登場しますが、彼女にオルコットが自分を投影させているのではないかしらと思わせるくだりがありますので、以下、抜粋します。

『(「新しいご本はどんなぐあい?」と質問され)「好評すぎるのよ。ねえ、みんな、人気というものは気をつけなくちゃならないものよ。それは全く人をまどわす陥穽(ルビ:おとしあな)だわ、人を慢心させるものよ、ことに女の人ね。過失も多めに見られるしまた被害者のもっている少しばかりの力も不当に高められてしまうの。そのくせ人気っていうやつは気まぐれもので人がこの酔いしれるような飲み物の味を覚えたころに急に衰えるのよ。そこで人はまるで陸に上がった河童みたいに喘がなくちゃならないの」』
『ケエトが大喜びの娘たちに色刷りのカード(展覧会や音楽界のチケットのこと)を分配するのをファニーは好ましくながめながら、いつの日にか女も重荷を追わずに少しばかりのお金と成功を得られるような時が来るものだろうかと考えていた。ケエトはそれほど病身らしく、また疲れて早く年をとったように見えた。』

オルコットの日記を読む前にはそれほど気にならなかった文章ですが、この日記を読んで以降、
類似点を強く感じ、彼女の不安や健康状態が色濃く現れているように思われてしかたのないくだりです。

作家となり、人気が出たことによるデメリットも彼女は正直に書きだしており
後半はそちらの色合いが強まっています。
名声と高収入という光の影の部分が日記にあらわれていると言ってもよいでしょう。
光が強ければ、影もまた濃くなるものだということを含みながら
読み進めるのがいいのかもな、と感じましたので
追記をしておくことにしました。

前回の紹介文と合わせてご参考にしていただけましたら幸いです。
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【リンク】Tublrで『オカルト』の紹介をしました

ルイーザ・メイ・オルコットの日記――もうひとつの若草物語――

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