加納朋子・著 講談社 Mystery land

このMystery landというシリーズは児童書書き下ろしミステリという
なかなか画期的な企画です。
最近は子どもむけのミステリ紹介というのも少しずつ出てきてはいるけれど
SFのジュブナイルが(たしか1970年代くらいに)書き下ろされたみたいには
ミステリは発展しなかったのですよね。

たしかに児童書というジャンルは合う書き手を選ぶので
このシリーズも、現代の活躍作家が目白押しの割には
実は作品レベルってピンキリだったりします(笑。

で、この作品はかなりピンの方です。


主人公の森(しん)は小学校5年生、元気のよすぎるわんぱく君のため
東京ではちょっと浮いちゃってる感じ。
それが父の転勤で北九州に引っ越しになります。
ところが北九州で出会う同じ社宅の子たちは森のわんぱくにもびびったりしなくて
不思議とみんなと気が合います。
暮らしながら、なじみながら、でも森は、団地に潜む謎に少しずつ気がついていきます。。。

ミステリって、あらすじがイントロまでしか書けないのでストーリーについてはここまでです。
この本の面白さはなんたって出てくる子たちの個性。
森は乱暴者って言われてるけど、元気があり余ってるだけなので
北九州でそれを発揮する場ができることによって、すごく光るし
同じ年頃のココちゃん、あや、竹本兄弟、パック
みんないわゆる「キャラのたった」子たち。そんでみんな「子どもらしい」んだなぁ。

みんなで仕組むいたずらも笑えるし
その知恵にびっくりしたり
謎がわかった時にはしんみりできる。

特に大人が読んで「ありなの?」っていうような
マンガっぽいダイナミックないたずらは
子どもには楽しいと思う。

大人の読み手としては、プロローグの小さい謎が最後に解けたのがスッキリしました。

児童書作家の作品が文庫などで『大人の読み物』になってきているけれど
逆のバージョンってけっこう難しいと思う。
その点この人の本は、もっと児童書で読みたいなーって思わせてくれるので
かなりレベルが高いといえるんじゃないかな。

加納朋子ファンの方はもちろん、児童書ファンの加納朋子入門にもいい感じの1冊です。











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にんきもののひけつ

穴―HOLES―

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