前記事の続き。今日はちゃんとこの本の話をしますよw


内容紹介
ジュンは小学校3年生の男の子.ある日,1人の男の子が現れてジュンの仲間になった.ジュンは,その子が高圧線鉄塔の化身だと信じるが…少年の日常の中で展開するファンタスティックな物語.

文章は佐藤さとるさん
絵は村上勉さん
出版社は岩波書店。岩波少年文庫です。

佐藤さとるさんの作品は
『おばあさんの飛行機』
『そこなし森の話』
『きつね三吉』
『かえるのアパート』
『だれも知らない小さな国』
『おおきなきがほしい』
を紹介しています。

村上勉さんは、上記のコンビ作品のほか
別の文章の方と組んだ
『むぎひとつぶ』
が過去記事にあります。

この作品って構成が面白くて
グリコのおまけが上(最初)にのってる、みたいなところがあります。
主人公のお姉さんの紹介が最初にされて
けっこう詳しいのに「ちょっぴりしか顔を出しません。」て。
えー?と驚くと「でも忘れないように。」と結ばれて
そこから本編になるのです。
確かに要所要所でお姉さんはスパイスのきいた登場をするのですが、
それにしてもなかなか奇妙な始まりかたです。

この唐突さというか不合理なムードは
文章や内容にもちょっとありますね。
オマケっぽいというか
シンプルになりきれなくて、それって必要?みたいに感じさせます。
この「余分さ」をあるある、と思うかくどく感じるかは読む人によるかも?ですが
子どもだとそういうオマケの部分を楽しむのかもしれません。
(この作品は子どものころはかなりサラッと読んだようで
あまり記憶が残っていないので
読みこんだ佐藤さとるさんの作品を近いうちに再読せねば…^^)
でもまあ、物語自体も
唐突にあらわれた不思議な友だちの物語だから
それはそれでいいのかしらw

ひょっとあらわれた不思議な友だちのこの物語は
唐突さや不思議さと
冒険の楽しさが混じり合い
最終的には喪失感がありつつも、これでいいのだ、ここにおさまるのだという満足を感じる
なんとも複雑な味わいのストーリーです。

こんなにいろんな感情がまじりあっているのに
ちゃんと「子どもの世界の子どもの話」になっているところが
(あ、この場合の「子ども」というのは思春期以前という意味合いで使っています)
唸っちゃうくらいの出来栄えですねえ。

大人になって、大人の目で読むと
難しいんじゃない?って思ったりしますが
いやこれ、子どもは読みこなしますよ。というか
『読みこなす』なんて小難しいこと考えず
物語の世界に入り込んで十分に味わいますよ。
複雑さが理解できるのは、きっと大人になって大人の目で読みかえしたとき。
児童書というのは
大人になってから読みかえされることが少ないと思いますが
読みかえした子は、きっと、
自分という子どもの理解の深さに驚くんじゃないでしょうか。

児童文学恐るべしというか
佐藤さとる恐るべしというか。

そんな作品でした。

ちなみに、村上さんの絵は
この複雑な要素の物語をシンプルにみせられるよう
上手にエッセンスをすくい取っています。
ヘタに繊細すぎる挿絵がついたりするとバランスがくずれ
不安さが前面に出てしまいますので
安定感をもたらしてくれるこの方の絵はいいマッチングと思います^^
設計図を見て
作ってみたくなる子、きっとたくさんいそうですネ♪

(オトナのワタシはスピンオフで
お姉さんと、最後に出てきた男性が
その後どうなったの?と
男女の出会いに結びつけてしまいたくなりましたがw
児童書では書かれない野暮な勘ぐりですので
スルー推奨でよろしくですwww)
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ジュンと秘密の友だち(紹介前編)

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