まだやるか、っつー感じでもありますが
コレ語りたい!な作品がありますので、本日までおつきあいください^^

『死』と『怪異』に引き続き『神獣・妖怪』がテーマの3作品を
こちら↓からご紹介します。





江戸の有名絵師、葛飾北斎と娘のお栄が中心の
日常を描いた連作短編集です。

著者は杉浦日向子さん
『百日紅』より
「再会」「野分」
「ほうき」「鬼」「離魂病」
のほか、
百物語
風流江戸雀
を過去記事で紹介しました。

そういえば、その昔『百日紅』を読んでから北斎にハマり
展覧会に行ったり画集を買ったり
はてはお栄ちゃんの絵を見に行ったりしたんだっけ。
ずっとごぶさたしてるけど、また直に絵を見たくなってきました。
どっかでやってないかな。今度ググってみよう。
北斎はやっぱり肉筆画が引き込まれるような美しさで
お栄ちゃんの絵も素晴らしかったです。
お栄ちゃんは自分の名前で描いた絵の点数が少なく、見られる機会がさらに少ないのが非常に残念です★

まずは「龍」
この話、お栄ちゃんが龍を描くんですが
そこまでの成り行きというか導入がなんともステキw
この「あ~あ」っていうやわらか~い苦笑いの微妙さは
他ではなかなかお目にかかれません。

龍といえば、日向子さんの別作品
『鏡斎まいる』でも出てきましたねぇ。
この「龍」で国直と鉄蔵が竜巻の中に龍を見た…というくだりと合わせて
ワタシの龍の二大LOVEでございます。
江戸時代の人たちの自然観って、ほんとにこんなだったんじゃないかなー。
なんとも豊かです。

そして、絵師国直の話を聞き
龍を「待つ」お栄ちゃん。
夜半、大風が吹いているのに静かなその一瞬の場面は
音までも聞こえてくるような。

ユーモアとシリアスのバランス、緩急ともに素晴らしい
名作でございます。


うってかわって「稲妻」は
ちょっととぼけたムードの作品。

梅雨明け間近の大雨のさなか
川獺の化け物の話をしているところにあらわれた田舎者。
今でいう天然さんで、ナチュラルに失礼なところが鉄蔵のムカつきを呼んでふっかけられちゃう、と。

実際のところ
この田舎者の正体も
本当に川獺に絵を取られちゃったのかも
ハッキリしないまま物語終わっちゃうんですけど
それもありかなー
みたいに、なんかいい感じで脱力させてくれる作品です。
梅雨明けですが、今くらいの時期に読むのもワタシは好き。
最後の絵がカッチョイイ!日向子さん会心の出来栄えでは?と思います♪


さてさてなんだかんだと書いてまいりましたが
トリをつとめますのが「山童」です。
実質的な最終話。
話の内容的にはまだまだ続いてもいいようなムードなので、あまり最後っぽくはありませんけど
やっぱり読んでるとこの話って感慨深くなっちゃうんですよ~。

山からきた母親に連れてこられた子ども
子どもは言葉をしゃべらないし
母は話すけれどもどうも町に住む人の範疇からはズレているような…。

抵抗しつつもなんだかんだいって受け入れている
お栄ちゃん&鉄蔵って懐が深いよなぁ…
最終的に身内が迎えにくるわけですが
その時の見送りもあっさりしたもので。

ふとやってきて
ふらりと去っていくマレビトは
この子どもでもあり
鉄蔵・お栄の親子でもあるような
そんな錯覚とともにとらわれます。

そんでもって
読み終わってまた読みたくなって
好きな話、次の話と
つれづれに頁を繰り続ける
一区切りの意味合いもありまして
ワタシにとって大事な作品なのであります。


夏の水星逆行時に思い出した
お蔵だし作品におつきあいいただき、ありがとうございました。
スポンサーサイト

いまさらですが自己紹介など

「ほうき」「鬼」「離魂病」(『百日紅』収録作品)

comment iconコメント ( -0 )

コメントの投稿






trackback iconトラックバック ( -0 )

Trackback URL:

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。