夏はオカルト(春はあけぼのの節回しでぜひw)
といいますが、
ワタシ、コワイ話好きでけっこう年中読んでますから
あんまり関係ないかも~ww

昨日のテーマは『死』でしたが、本日は『怪異』がテーマの3作品を
引き続きこちら↓からご紹介します。





江戸の有名絵師、葛飾北斎と娘のお栄が中心の
日常を描いた連作短編集です。

著者は杉浦日向子さん
昨日の「再会」「野分」の紹介
のほか、
百物語
風流江戸雀
を過去に紹介しました。

オカルト・怖い話にもいろいろなタイプがありまして
この日向子さんの怖い話は
ベースは江戸風味で、怖さはほんのり、生臭さを極力排除して
後味はホッとしたりニヤリとしたりと、えぐみが残らないように仕上げております。
すこぶる極上品なので
これが大丈夫だから、ほかのも!となってガックリ…
という可能性があるかもなのが注意どころでしょうか。


「ほうき」は第2話。読み始めてすぐのこの話、インパクト強かったなぁ。
死人が動き出す〈走屍〉という怪異のことを知ったのもこの本でした。
驚きはしても、怯えることなく冷静に対処する
お栄ちゃんもカッコイイんですが
目の前の死人が動き出しても一歩も引くことなく
「えいままよ 描いちまえ」と見つめ返し描き続ける鉄蔵に惚れたね!

描く人ってのはここまでしちゃうものなの?と
当時から今まで大興奮しっぱなしです♪
ワタシもモノを書くときには
これくらいのテンションでいたいものでございます。

あと、この話を受けてきたときのやり取りがスキなんですよねー。
居候の善次郎(渓斎英泉)が、鉄蔵に父の死顔を写してほしいと頼まれ
「うかうか引き受けてきたがやっぱり駄目だろか」
というと、お栄ちゃんがサックリと
「ナニサいくだろ テツゾーは死体とか好きだから」
ちょw
当の鉄蔵さん、一言も発しないうちに話がまとまるあたりに何ともいえぬ味わいが^^

登場人物のキャラとか関係性も含め
食べものでいえばスルメのように
噛みかえし、読みかえしが楽しい作品でございます。


「鬼」は地獄絵の話ですね。
これは鉄蔵ではなくお栄ちゃんにきた依頼の絵なのです。
いい作品を描いたはず…なんですけど
リアルすぎて怪を呼んでしまったという。
お栄ちゃんもまたとんでもなく力のある絵師なんですねー★

とはいえその話を聞き
「厄介な絵なんざ腕が未熟な証拠だ」と
下絵を見た後、夜遅いのに絵の修正をしにいく鉄蔵は
やっぱり一枚も二枚も役者が上ってことですな。

「な コウすりゃ“始末”ができるじゃねえか」
と描き足した片隅の絵に涙しそうになったのは
ワタシだけではないはずッ!

物語の中の季節は春先のようですが
お盆になると思いだし、読み返したくなる作品です。


怪異の話は他にもあれど
後半では「離魂病」の話が好きなんですよ。
吉原の花魁の首が夜中にのびるという話を聞き
鉄蔵が幇間の八造といっしょに出かけるわけですが
ま、当然正面からそんな話をしたら体よくあしらわれますわな。

それをなんとか説き伏せて寝ずの番をさせてもらうのですが
この、(霊的な)首が伸びて蚊帳の中を飛び回る場面が
恐ろしいやら美しいやら。
花魁ですから趣のある美女の首
髪がほどけてたなびいて。
いやー
こわいもの見たさでワタシものぞきたくなりますw

しかし鉄蔵は貪欲なおっちゃんですな。
花魁の首が伸びるのを見るためにした話は
昔聞いた唐の怪談ですって?
「ああでもいわなきゃ あんなイイもの見られなかったじゃねえか」
なんとも喰えないおっさんですわぁ♪


いやー
書き終わってみたらなんのことはない、
鉄蔵カッコ良し三部作みたいになってますなw
もしかして、ワタシのおっさんスキーは
この鉄蔵あたりから始まっちゃったのかもしれないなぁ…なんてね。

蒸し暑い夏の夜長
どうせ夜更かしするなら、こんな粋なマンガを読むのもいいもんですよ。
お試しあれ^^
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「龍」「稲妻」「山童」(『百日紅』収録作品)

「再会」「野分」(『百日紅』収録作品)

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