ソーイング好きな方へのプレゼントにもいいかも?な繊細できれいな絵本です。

 

リトルモアの絵本はビジュアル系のものが多くて、感覚的に合う・合わないがはっきりしているんじゃないでしょうかね。

個人的にはこの絵本はかなりツボです。

 

旧館のときカテゴリを真っ先に作ったくらい宮沢賢治は好きな作家です。

すべてが名作とは言いませんが(むしろ作品によってクオリティの差が大きい作家です)、とにかくたくさん絵本化されています。

そして、その中でもこの『銀河鉄道の夜』は画家数めっちゃ多い!

画家の心をくすぐる作品なんでしょうね。

 

 

個人的な好き嫌いで言うと、嫌いではないけど、好きというほど思い入れはない作品ですが、とにかく人気が高いので目にする機会も多く、結果、あれがいいこれはどうかななどと考える機会も多くなります。

で、清川あさみさんという方の絵本作品を見て興味がわき、他の絵本作品は…と検索して『銀河鉄道の夜』を発見。

アタリの香りがする!と読んでみた次第。

 

布や刺しゅう、スパンコールなどをふんだんに使った挿絵はゴージャスかつ繊細。

使われている素材を考えると女性寄りかなー、と思いますが

男性が拒否感を感じるほど甘くもない仕上がりになっています。

そうはいっても冒頭にも書きましたが、ソーイングする人の喰いつき率は高そう。わたしは自分で絵を描くわけではないですが、この組み合わせの多彩さに驚きました。同じく手法を見て目からウロコの人もいることでしょうね。

 

色合いは夜の暗さをふんだんにあらわすためでしょうか、重たいくらいの色使いですが、素材で質感を軽くしています。バランスいいなー。

絵の数も多く、そのうえ文章だけのページの配色にも心遣いが感じられ、パッと見るだけで「贅沢な絵本だなー」って感じ。

 

丁寧だけど入れ込みすぎていない、文章との程よい距離感は手法のためか、それとも画家の感覚なのか。

この作品、抒情的な文章なので絵がそこに近づきすぎると湿った<泣かせ>の雰囲気になってしまうような印象があり、わたしはそういうの苦手なので、距離感があると安心するんですね。

銀糸で直線的なステッチがシャープだからか、それとももっとほかに理由があるのかわかりませんが、文章と絵が重なりながらも独自の世界を作っているようで、コラボという言葉が似合います。

 

個人的にはいまのところイチオシの『銀河鉄道~』かも。

ほかの清川作品もぜひ読んで、今後また紹介したいと思っています。

 

 

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 なんとなくですが、お天気がいいときよりも悪いときに読むほうがしっくりくるかも?です。

雨ニモマケズ Rain Won't

宮沢賢治 今人舎 2013-11-06
売り上げランキング : 60833

by ヨメレバ

 

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
アニメーション作家・山村浩二の絵と詩人・アーサー・ビナードの新訳が出会う、本当の宮沢賢治里山

 

さりげないコラボレーション

英語と日本語の対訳絵本…と評するべきなんだろうなあ、と思いつつも抵抗を感じてしまい、どうしてなのか考えました。

 

勝手な思い込みなんですけど、わたしの中に『対訳絵本』って、お勉強のための本ってイメージがあったみたいです。
そして、日本語の絵本の完成品に英語をつけたしたものでもあると。
なるほど。そう考えるとこの絵本はその範疇には収まりませんね。
思い込みイメージでは、たいてい英語がつけたされているため誌面のバランスが崩れているというか、はっきりいうと英語がオンされている分 文字が過剰だと感じるものが多いんですね。
絵本って、絵と文章のバランスも視覚的に大事なので、このバランスが美しくないと残念に感じてしまいまして。
逆にいうと、フォントまで含めて最高バランスだと「こんないい絵本はない!」と感激しちゃうと。そういう思考回路をしているようです。(書いているうちに逆引き的にわかってきました)

 

で、そういう意味で捉えると、この絵本は英語と日本語と絵をすべて組み合わせての誌面デザインがされているので、過剰なところのない<完成品>なわけです。
英語をメインテキストの場所に置きつつも、日本語がオマケではなく、誌面として見たときに落ち着きのいい場所に配置されています。
そして両方の文章をどっしりと受け止め、詩の世界をさらに豊かに広げる絵の数々。

 

宮澤賢治作品というのは、画家の作品欲を刺激するんだろうなあ、というのは、多数出版されている絵本を見ながらよく考えることです。
著作権が切れる前から、そして著作権が切れて出版しやすくなっただろう時期からはもっとたくさんの作品が出版されていて、それらはたいてい勢いがいいというかパワーが強いというか、「どうだ」って表紙からグッとアピールしてくるものが多いように感じます。
でも、この『雨ニモマケズ Rain Won't』はものすごくおとなしやかな佇まいで、ふと気づいたらそこにいたんですね…、という雰囲気。
色合いが抑え目なのもあるとは思うんですが、それだけじゃないんですよね。水墨画のように静かで深い世界観で、賢治の手帳の世界がそのまま立ちあがってきたかのような趣です。

 

文章については、わたしは英語のレベルめっちゃ低いんで、絶対的な評価というのはできっこないですけど、日本語に通暁しているピナードさんの英訳ですからきっと大丈夫なはず。というか、わたしレベルの英語力でもいいなあって感じたんだからきっとわかりやすくて素敵な英訳なんでしょう。
詩としての英語のリズムと内容の表現を両立させるのはさぞ難しいと思うんですけどね。音読していて、とても心地よかったです。これ、男性の方の音読を聴いてみたいなあ。それこそピナードさんのお声で、とか。

 

ご存じの方も多いと思いますが、「雨ニモマケズ」は賢治が手帳に残した走り書きのような詩で、出版を目的とした完成作品ではありません。
その未完であり荒削りであるがゆえに賢治の人柄・心映えがそのまま映し出されていて、それが作品の大きな魅力です。
その素朴さが非常によく活かされた絵本になっていると思いました。

 

「読む」というよりも「愛でる」というほうがふさわしいんじゃないかな…と感じるこの絵本、
どこかで見かけたときにもし思い出していただけましたら、お手にとって愛でてみてください。

 

 

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この収録作品のセレクトはかなり好き♪


著:宮沢賢治
編:別冊宝島編集部
出版社:宝島社
発売日:2009年04月18日

目次
『銀河鉄道の夜』について(吉本隆明)
注文の多い料理店
セロ弾きのゴーシュ
よだかの星
風の又三郎
銀河鉄道の夜
グスコーブドリの伝記
烏の北斗七星
虔十公園林
土神ときつね
紫紺染について
洞熊学校を卒業した三人
毒もみのすきな署長さん
春と修羅
高原
永訣の朝
雨ニモマケズ
『雨ニモマケズ手帳』(写真)
解説(郷原宏)

宮沢賢治作品はカテゴリを作っています。
とはいえ、過去記事の編集がまだちょっと追いついていないので、他の記事を全部読みたい!と思われる方はサイドバーで検索していただくのが早いです。。。
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