大好きなシリーズです。が…

 

新刊が出たと思ったら…なんと…

 シリーズの最終巻

残念です~★

 

単行本にしては珍しく著者あとがきがあって、そこで最終巻であるお知らせを読み、ガーンとショックを受けました。

作中では5年ちょっとの経過ですが、現実では出版から13年、著者の構想からは19年たっているとのこと。ずれによっての違和感はないとのことでしたが、そうはいっても作品もイキモノですものね。著者の中で区切りがついてしまったということみたいです。

 

清掃のお仕事をしているのに、いつも華やかな服装で、人がいないときには大声で歌ったりする「らしく」ないキリコちゃんにもう会えないのかと思うと淋しいわーと、再度読み直してみたり。

 

観察眼が鋭くて、推理力もあるので、仕事先のオフィスでトラブルがあったときに誰かが相談すると、清掃のお仕事をしているキリコちゃんが探偵的に日常の謎を解く、というのが基本設定。

お掃除という仕事と、人が無意識に出しているシグナルってリンクしているのかもなー、と読みながら思ったりします。

 

そういえばこのシリーズ、最初は旦那さんの大介くんの語りから始まったんですよね。出会いが最初の話で、その本の終わりでふたりは結婚して。

それからの大介くんは、ときどきぴょいっと顔を出すくらいですが、活躍するというよりも、キリコちゃんをしっかり支えている存在なんですね。

結婚して5年がたってもいいカップルよねーとしばしばにんまりします。

5年以上たって「ちゃんとわたしのことを見ててくれる」ってかなりポイント高いですよ、うん♪

 

そしてシリーズ最終話では久々に彼・大介くんの語りでストーリーが進みますが、これがね、彼のいいところがとってもよく表れているんです。

 

キリコちゃんの家族が亡くなって。急な話だから、気持ちの立て直しがうまくできなくて。

その彼女の「普通にしていなくちゃいけない」を見抜いて「無理しなくていい」って伝えて、彼女のこんなふうに過ごしたいをかなえてあげるの。

何よりも、最中に押しかけてくる親戚のあしらいかたが素晴らしくて、もう神対応

キリコちゃんじゃなくて大介くんの親戚だけど、結婚していれば(とくにうるさい親戚からみれば)そうもいってられないもの。そこをキリコちゃんとは一切会わせず、しかも彼女には責任がないように計らう。

こんなやりかたがあるのかー⁉とビックリでした。

これ、パートナーがいる人は対処法を頭のどこかに入れておいて、もしものときにスマートに対応できれば、パートナーからの評価、めちゃめちゃ上がりそうな気がします。ホントこの話の大介くん、かっこよかったっす!

 

いつも周囲の人の問題を解決するキリコちゃんがこの最終話では自分の問題に大介くんと一緒に立ち向かって。事態には一区切りついて、でも彼女たちの人生はまだこれからも続いていくんだなって物語の結び。

何度も繰り返し読みたくなる作品って、こんなふうに面白くって楽しくて、『登場人物はホントにどこかにいて、わたしたちはその一部分をのぞいてるだけ』って気分にさせてくれるんですよね。

 シリーズ最初の作品からずっと、次はいつ出るのかなって待ってたキリコちゃんの続きが読めないのはホントにホントに淋しいんですが、でも納得できる最終巻なのでした。

 

著者の近藤さんに「楽しい時間をありがとうございました」ってお伝えして記事を結びたいと思います。

(そして早く重版がかかって、最終話の誤植がなおりますように!)

[さ行の出版社]   [ま行のタイトル] 
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ミヤコ出身の著者による、京都再発見のコミックエッセイ

 [さ行の出版社]  [か行のタイトル]

(ちょいと年代モノですが)美味しいコミック紹介します

 ずうううぅ~っと!前から持っている本。

出版年を調べて愕然★でした。そんなに経ってるんだ…。

 

タイトルに偽りなし、のお料理コミック。

一応著者は芳成さんになっていますが、レシピはすべて読者からやご家族から。

で、なんでこんなにキッパリ「タイトル通り」って書けるかというと、

芳成さんがかなり見事なまでにお料理をなさらない方で、

その彼女が(編集やスタッフと一緒とはいえ)自分でこれらのメニューを作っているからなんです。

 

お母さまの至れり尽くせりはともかく、芳成さんの普段の料理のしなさっぷりは、

読むと「えぇッ!?」と驚くくらいだったりするんですが、お母さまがお料理上手&ご本人に興味がない、となると、こういうことにもなるの…かなあ。

あーでも、性別をどうこう考えるからひっかかるのか。息子ならあるあるだ。

うん、そうだ、わたしが性差別に捉われていました。失礼!

 

わたしは元・偏食大王のくせして食い意地がはっていたので「自分の食べたいものは自分で作るぜ」で、いろいろテキトーに作る子でした。

だがしかし、なにしろ大雑把。しかも凝った料理を作っても食べるのはあっという間よねー、という性格なので、いまや

「カレーは毎回闇鍋的ですが、なにか問題でも?」というメチャメチャざっくりな料理を作って食べる毎日。

 

こういう性格ですので、料理のレシピ本は読んだからといって作るとは限らない!(というか、読んで満足して作るところまで至らないことが多い)んですが

このコミックに掲載されている料理はけっこう色々作っております。

ホントにカンタンで短時間でできるし、バリエーションもあるので便利なんですよー。

(ただし、栄養素がどうのとかそういう方面は無頓着なので、そこは自分で調整が必要です)

 

何度かの引越しや荷物整理・本整理でも淘汰されることなく残った

個人的に評価の高い料理コミックです。

わたしだけではなく、知人の評価も得ていまして、

『うちでカレー作ってあんまり美味しいと思ったことない』

と話していたとき、このコミックに登場する「今井家のカレー」のことを思い出し、作り方を伝授したことがあります。

その知人は後日チャレンジしたそうで「美味しいカレーになった!」と喜びの声をいただきました。

分量とか細かいレシピがない口伝えで「美味しい」が作れるスグレモノです♪

 

料理だけではなく、ソーイングの話がちらっと出たり、お母さまのエピソードや(この本にしては)ちょっと凝った料理。それから当時芳成家で飼い始めた柴犬の話など、いろんな面で楽しめる1冊。

Amazonなどの中古ならまだ手に入るかも?

気になったカンタン料理スキーの方には、ぜひご一読をおすすめいたしまーす\(^o^)/

 

 

[さ行の出版社]  [か行のタイトル]

石川宏千花作品、好きなんですよー。

『ユリエルとグレン』、『密話』、『妖怪の弟はじめました』、『お面屋たまよし』『死神うどん店』…かなりコンプリートに近い感じで読んでます。
一番好きなのは、著者を初めて知った『密話』。泣いてハマりましたねー。
(『ユリエルとグレン』と『密話』はブログで紹介しているので、記事の最後にリンクしますね)
『死神うどん店』はシリーズが完結したことでもあるし、近々の紹介を検討しています。
 
さて、前フリはこのへんにして、書誌情報からスタートしましょうか。 

 

 

 

怖さより悲しさとあたたかさを強く感じるホラーファンタジー

シリーズものになると思い込んでいたけれど、よく読んだらそんな記述はなかった…★

続編希望!と、書き直しておきますわw

連作短編集で、3作品が収録されています。

 

内容情報によるとファンタジーとカテゴライズされているようですが、石川宏千花作品はたいていがちょっとホラーな色合いが混ざっていますので、苦手な方は心構えしておいたほうがいいかも。

 

ルビがふってあるところをみると、児童書の扱いなのかな?内容的にはラノベでもOKな感じ。

(文芸書が文庫になるみたいに、ラノベの新書や文庫に移行してもいいんじゃないかな。表紙の雰囲気がいいので、移行時も同じイラストレーターさんの表紙希望します。

クレジットは『Matayoshi』となっていて、けんさくによると「またよし」というひらがな名で活動してる方のようです)

 

おっと、話がそれ気味に。

 

主人公のレオ(どうやら日本人という設定のようで『伶央』という漢字名も書中に出てきます)は14歳の寡黙な少年。

育ててくれたルパートと死に別れて3年。相棒の大きな犬バーソロミューと暮らしながら墓守りをしています。

そんな彼が出会った生者や死者との物語。

以下、収録の3話について、なるべくネタバレにならない方向でざっくり書いていきますね。

 

『ブルー・マンデー』

 

初っ端から濃密なストーリーでした。

幽霊がたくさん出てきますが、霊としての怖さよりも悲しさや寂しさのほうが際立っています。

オーソン・スコット・カードの『消えた少年たち』にちょっとカラーが似ています。と書けば、読んだことがある方には通じるかな?

 

そして、似ているけど違う!と新鮮に驚いたのが以下の場面です。

ネタバレなので反転させますねー。

最初、主人公かな?という印象で登場した少女・エミリアは、実は死者。でも、自分が死んでいることに気づいておらず、その事実を知るのが物語の起承転結でいう<転>にあたります。

殺したのは父親で、虐待の果てなのですが…

なんと、彼女は自分の死に気付いた後、レオに頼んで、父に対し「自分はパパを許す」と伝えてもらいます。

パパは許されてはいけないことをした。世界中の人がパパを許さない。許されてはいけない。でも、世界でたったひとり、自分だけはパパを許してもいいはず…。

このくだりの無垢な悲しみと愛情は本当に胸を打ちます。

父に対して、そして母に対して。エミリアは子供としてできるかぎりの愛情をレオを通して伝え、死者が行くべきところへ去っていきます。

あらすじだけでは伝えきれないニュアンスを、ぜひ本書で堪能していただきたい作品です。

 

 

ダズリング・モーニング

 

これはレオと相棒のバーソロミューの話。バーソロミューの視点で語られています。

レオの生い立ち、育ての親(?)ルパートとの関係、そしてバーソロミューとの出会いと生活…。

ページ数も短く、短い幕間劇のような役割をはたしています。怖くないので緩衝材のような作用があり、ほっと一息つけます。

 

クランベリー・ナイト

レオがよくいく食堂で会う男性。レオに親しく話しかけてきますが、実は彼は…

ということで、これもネタバレ対策で反転させましょうか。

 

無差別殺人の殺人犯の話なんですが…

彼が殺人をするきっかけになった出来事や心理を、レオが死者たちの力を借りて見事に逆転・反転させるのが見どころです。

逮捕よりもこの殺人犯が思考を転換させて行く場面の緊迫感がすごい。

警察に捕まり…彼はおそらく死刑になるでしょう。

死刑でたくさんの死者への詫びになるかどうかはわかりません。

けれど、彼は自分の過ちを認め、今まで受けていた愛情をしっかりと理解するのです。

陰惨なはずの殺人が妙に乾いていて、そして、最後の彼の様子が晴れ晴れとしていて、今まで乾いていたと思っていた心が潤っている…。

他の人の作品ではあまり見られないテイストの、独特の読後感をもたらす作品でした。

 

レオは死者と交流できる能力を生者と死者両方に愛情を持って注いでいて

どの作品からも、それがとてもよく伝わってきます。

どうやらシリーズのようですから、これからどんな物語がさらに紡がれていく予定なのかを、楽しみに待ちたいと思います!

 

石川宏千花作品、他の作品の紹介記事はこちら↓です。

 

ユリエルとグレン ・その1

 

ユリエルとグレン ・その2

 

 

 

 [さ行の出版社]  [は行のタイトル]

 理系…とは違う気がするんだけど、まあそれはとりあえず置いといて…。

 [さ行の出版社]  [た行のタイトル]
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